研究課題
本研究では、国際宇宙ステーション搭載の全天X線監視装置(MAXI、マキシ)の継続運用を行い、本研究期間の3年間、MAXIは正常に稼働した。微小塵の衝突によるガス漏れが生じたカメラ0においても、現在すでに1年10か月を経ているが、適切に高圧を調整することで放電を起こすことなく機能を維持している。MAXIを継続運用することで検出したBe連星X線パルサーの増光(outburst)のうち、2回の巨大増光が観測されたA0535+26からは、Be型星の星周円盤が、一本腕円盤の構造を持ったり、円盤が歳差運動している可能性を指摘し、結果を公表した。MAXIが観測したBeアウトバーストの光度曲線をFermi衛星GBM装置のパルス周期モニタのデータと突き合わせることで、ガス降着による中性子星の自転周期の増加を観測し、Ghosh & Lambの加速理論を適用し、ほどんどのパルサーにおいて加速率が少ないことを論文で発表した。2014年7月に行われたBeXRB2014 (BeX線連星会議2014)において、3年間のMAXIの観測結果を世界のBeX線連星コミュニティに披露した。ESA/ESACが率いているBeXRB forumにMAXIデータを供給し、3衛星(MAXI/GSC, Swift/BAT, Fermi/GBM)のデータを照合できるインターネットページにて常に最新データを公開している。ドイツ・チュービンゲン大学と共同研究を行い、大学院学生を1年間受け入れた。また三原も同大学を訪問しセミナーを開催、意見交換を行った。
2: おおむね順調に進展している
研究実施計画に記載した内容はすべて実施し、ほぼ期待通りの成果を得た。
2014年12月14日に発生したGRO J1008-57からの1軌道で3回目のアウトバーストの解析を行いまとめる。またMAXIはまだ健在であるので、BeX線連星のアウトバーストの観測を進め、より多くのアウトバーストを検出し、可視光分光観測との同時観測、理論シミュレーションとの比較を行い、Be星周円盤の理解を進める。
期待していたBe型X線連星のアウトバーストが、2014年12月になって発生し、そのデータ解析とその結果の学会発表および論文作成が、2014年度中に完了せず、2015年度にずれ込むことになった。
データ解析計算機、論文掲載料、学会発表費用に使用する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (22件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 2件)
PASJ
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