| 研究課題/領域番号 |
24340048
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
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研究代表者 |
市來 淨與 名古屋大学, 基礎理論研究センター, 助教 (10534480)
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| 研究分担者 |
高橋 慶太郎 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (80547547)
井上 進 東京大学, 宇宙線研究所, 特任研究員 (80413954)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 宇宙物理 / 電波天文学 |
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| 研究概要 |
近年の天文観測技術の向上により、初期天体形成前後の宇宙に手が届きつつある。本研究では、今後も飛躍的な観測能力向上が見込まれる低周波電波観測に着目し、銀河および宇宙大規模構造の進化史を、新しい方法で観測する可能性を開拓する。それは、クエーサー等の電波連続光を背景光にして、吸収線で遠方天体を観測するという方法である。国際的にもセンチ波・メートル波における中長期的な大型電波望遠鏡計画が多数あり、21cm吸収線はそれらの主要なターゲットの1つとなっている。2013年にはオーストラリアのASKAPが観測を開始し、本格的な21cm吸収線の広域探査が初めて行われる。これによって21cm吸収線の観測ができる天体の数はこれまでの100倍にも増加すると期待される。
当該年度では、開発環境としての並列計算機を構築し、数値計算コード(GADGET, ENZO, 21cmFAST)および周辺ライブラリのインストールを行った。実際にコードを実行して結果の取り扱いまで学んだところである。これと並行して、初期宇宙に存在するミニハローと呼ばれる天体が刻む吸収線の数分布を解析的に計算するモデルを開発した。ミニハローとは、ダークマターとガスがともに重力崩壊を起こしたものの、質量が比較的小さいため冷却能率が悪く星形成などが起こっていない天体で、密度分布、温度分布についての単純なモデル化が可能な天体である。これらの分布、および天体の数分布を組み合わせて吸収線の数分布を解析的に求め、この数分布が未だ明らかにされていない小スケールの密度揺らぎの大きさに強く依存していることを見出した。結果は複数の学会・研究会で発表した他、学術論文としてまとめているところである。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
とくに困難がないと思われていた、数値計算コードの実装に比較的時間がかかってしまったが、それも無事完了し、いよいよ本格的なコード開発に取り組める段階にある。また、関連する解析的なモデルを構築する等の研究成果もあり、おおむね順調といえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画・目的に沿って引き続き研究活動を継続する。計算機の規模が足りなくなった場合等は、物品費から大規模計算機システム使用料を支出することを検討する。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
計算機管理のために計上した謝金と、一部旅費を次年度に使用することとした。生じた理由は、計算機の管理を研究代表者自身で行ったことと、海外滞在費を先方が負担したことなどによる。翌年度では研究成果が出始めるので、そのまま研究発表旅費として使用する予定である。
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