研究課題
弦の場の理論における古典解とゲージ対称性の関係、そこに見られる理論構造の理解を試みる研究を行い、タキオン真空に関する弦の場の理論の性質を解明した。前年度に行った研究、単位弦場に基づくマージナル変形解に対する物理量の計算、をBerkovits型の超弦の場の理論の場合に拡張した。別の手法による結果と整合する結果が得られ、ゲージ変換に基づく新たな計算法と単位弦場に基づくマージナル変形解の妥当性を示すことができた。次に、単位弦場に基づくタキオン真空解に対する物理量の評価に関する研究を行った。これまでのゲージ変換を用いた手法を適用することで、この古典解に対する物理量を計算することに成功した。我々がこの古典解を構成してから15年近く不可能だった計算ができたという画期的な成果である。得られた物理量はタキオン真空解に対して期待される値で、単位弦場に基づく古典解の正しさを示す結果であった。これらの研究成果は、単位弦場に基づく古典解まわりでの理論を数値的に研究してきた結果と、新たに開発した解析的手法がうまく機能したものであり、計算機システムを用いた計算が一定の役割を果たしている。また、弦の場の理論における最近の研究成果であるErler-Maccaferri解に関する研究を行った。タキオン真空解を基本としてあらゆる開弦場背景に対応した古典解を構成するという野心的な研究であり、弦の場の理論における非摂動的性質と深くかかわっている。我々はこの古典解に基づいてChan-Paton因子が生成できることを示した。この成果は弦の場の理論によって非摂動的弦理論を再構成できる可能性を示唆するものである。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: 033B05 ページ: 1/8-8/8
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Journal of High Energy Physics
巻: 07 ページ: 031
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