本研究では時間反転対称性を破る原子の電気双極子モーメント探索実験に必須な安価・コンパクトな精密磁力計の開発研究を行った。蒸気 Rb 原子をスピン緩和抑制コーティングを施したガラスセルに封じ込め、D1 吸収波長の単一波長レーザー光を照射した際の偏光面の回転を精密に観測することによる磁力計を構築した。実際の EDM 実験を想定した静磁場 5 mG においてμG/√Hzの磁場感度を実現し、ショットノイズによる到達可能な限界値が30pG/√Hzであることを示し、EDM 実験における磁力計の実現に道筋を付けることができた。
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