研究課題
太陽は4個の陽子からヘリウム核を作る水素燃焼をしている。太陽より8倍以上重い星では水素燃焼→ヘリウム燃焼→炭素・酸素燃焼→・・・と進みウランまでの重い元素が次々作られる。この過程は多くの原子核反応データを用いて計算できる。ところが大変重要なヘリウム燃焼での炭素とヘリウムが核融合して酸素になる反応速度が、世界中での半世紀に及ぶ研究を経ても未測定である。核共鳴準位が原因の極めて難しい測定である。星での炭素-ヘリウム核融合反応(C+α反応)は重心系エネルギー(Ecm)が0.3MeV付近で起こる。そこでC+α反応断面積をEcm=2.4~0.7MeVで測定し、結果を外挿して0.3MeV値を推定するのが目標である。低エネルギーではクーロン反発により反応が起こりにくく0.3MeVでの反応率は0.7MeVでの値より約5桁小さい。1ヶ月x105 = 8,300年である。H26年度にはEcm=1.0MeVでの測定と1.2MeVでの再測定を目指した。先ず九大独自の加速減速方式を最適化してビーム輸送を2.2倍増し、かつ反応生成酸素検出器の口径を拡大しビームを用いて拡大立体角を実測した。次に低エネルギーでの酸素とバックグランド(BG)炭素を分離するために理研からToF(飛行時間差)けんしゅつ測定器を借用し超薄膜を自作して改造した。BG酸素は本物酸素と区別できないので発生原因を無くすしかなく、金薄膜でスリットを作り5箇所に入れた。九大移転でH27/1/05に加速器解体を始めたが、1/05朝までC+α実験を行った。1MeV測定では大量ビーム加速のために制御不安定なビームが金スリットに当たってBG酸素が発生し、C+α反応断面積の上限値しか得られなかった。1.2MeVデータは再評価した。本研究でC+α反応測定の世界レベルを1.5桁進めた。あと2.5桁進めれば完了で、その方策案は出来た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
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JOURNAL OF RADIOANALYTICAL AND NUCLEAR CHEMISTRY
巻: to be decided ページ: 4-pages
10.1007/s10967-015-4033-5
EPJ Web of conference
巻: to be decided ページ: 4 pages
will be set by the publisher
Nuclear Instr. & Methods in Physics Research Section B
巻: 328 ページ: 14-19
10.1016/j.nimb.2014.02.115