LCRメーターとインピーダンス・アナライザ(本研究計画で導入)を組み合わせたプローバーシステムを開発した。微小試料に対して2端子法インピーダンス測定を行い、ナノ細孔中水分子のダイナミックスを捉えた。Ni(cyclam)試料の誘電分散は、第1, 2水和圏の水分子双極子の配向変化に起因する。また、ナノ空間の強い束縛により、そうした水分子の緩和時間が、自由水に比べて約3桁減少する。エリスリトール内包試料では、エリスリトール分子の近傍で局所的にプロトン移動が発生する。孤立した生体分子の特性が、ナノ空間を利用することで研究可能になり、今後さらに活用する。
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