シリコンの限界を超える次世代デバイス材料として、質量ゼロのディラック電子状態をもつグラフェンが注目されている。そのグラフェンを超越し凌駕できる可能性をもつ新電子材料である「トポロジカル絶縁体」について、新物質の開拓とその良質大型な単結晶化、そして単結晶を用いた電子状態の実験検証を行った。 その結果、新しい種類の“極性をもつ”トポロジカル絶縁体を筆頭に、十数組成におよぶ化合物ついて新物質の開発に成功した。加えて、ナノの空間スケールでの表面電子状態の観察により、理論予測されていなかった新現象を発見し、応用への利用についても議論した。トポロジカル“超伝導体”という新たな研究展開への芽も見出した。
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