鉄系超伝導体における未解明問題である(i)電子ネマティック秩序の起源、および(ii)超伝導発現機構の研究を行った。電子ネマティック秩序は平均場近似では説明できない難問であった。本研究では平均場近似を超えた多体効果(バーテックス補正)を考慮することで、電子相関によって軌道秩序が発生することを見出した。本研究により、電子ネマティック秩序の起源が軌道秩序であることが明らかになった。FeSeにおける非磁性軌道秩序相は、本理論により初めて説明された。さらに、軌道秩序相近傍で発達する軌道揺らぎが媒介する引力相互作用が、高温超伝導状態の起源となることを見出した。
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