• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

強磁性の量子臨界終点における新しい量子状態の解明と探索

研究課題

研究課題/領域番号 24340085
研究種目

基盤研究(B)

研究機関神戸大学

研究代表者

小手川 恒  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (30372684)

研究分担者 藤 秀樹  神戸大学, 理学研究科, 教授 (60295467)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード量子臨界終点 / UCoAl / NMR / 圧力 / 強磁性 / CeIr_3B_2 / CeRuPO
研究概要

本課題のメインテーマであるUCoAlの圧力下NMR測定を行った.UCoAlは常磁性-強磁性のメタ磁性転移を示す物質であるが,約1.5GPaの圧力,約7Tの磁場印加によって1次のメタ磁性転移が絶対零度で終結する量子臨界終点をもつ.NMRのスペクトル,核スピン格子緩和率1/T_1,核スピン-スピン緩和率1/T_2を系統的に圧力変化を調べた結果,量子臨界終点近傍においてIsing的な縦揺らぎが増強されることを明らかにした.また,1次のメタ磁性転移がクロスオーバーに変化した圧力域でも縦揺らぎが強く残っていることを示唆する結果を得た.
また,CeIr_3B_2はキュリー温度41Kの強磁性体であるが,その自発磁化は0.05μ_B/Ceと非常に小さいことから注目されている物質であるが,圧力下の電気抵抗測定から約3.5GPaにおいて強磁性相が消失することを明らかにした.また,NMR測定からab面内の磁気揺らぎが強い2次元的な異方性を持つ物質であることも分かった.
さらに強磁性体CeRuPOの圧力下電気抵抗測定を行った.CeRuPOはRuサイトをFeで置換することによって強磁性の量子臨界点を示す物質と報告されているが,圧力印加では恐らく反強磁性と思われる別の相に移り変わるごとが分かった.この2つ目の相は約2.7GPaの圧力下で消失し,その付近で磁場を印加することで常磁性一強磁性のメタ磁性転移を出現することを発見した.Ceの4f電子は局在性が強いため,UCoAlなどの遍歴強磁性体のメタ磁性転移との比較が興味深く,今後NMR測定を用いて微視的に調べていく予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

UCoAlの圧力下NMRにおいて順調に測定が進んでいる。また,新規の相図作成としてCeIr_3B_2,CeRuPOの測定が概ね終了に向かっている。

今後の研究の推進方策

UCoAlの圧力下N憾測定を進めると共に,Celr_3B_2,CeRuPOO圧力下NIVIR測定,さらにUGe_2,URhGeのNMR測定を行う。

次年度の研究費の使用計画

主に寒剤として用いる液体ヘリウムを購入する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 強磁性体CeIr_3B_2の圧力下NMR測定2013

    • 著者名/発表者名
      村上晃一, 小手川恒, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2013-03-29
  • [学会発表] UCoAlの量子臨界終点近傍における圧力下NMR2013

    • 著者名/発表者名
      明比亮介, 小手川恒, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2013-03-29
  • [学会発表] 強相関電子系における圧力をパラメータとした新奇量子相の研究2013

    • 著者名/発表者名
      小手川恒, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2013-03-26
  • [学会発表] UCoAlの量子臨界点近傍におけるNMR2012

    • 著者名/発表者名
      明比亮介, 小手川恒, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2012-09-20
  • [学会発表] CeIr_3B_2のNMRと圧力効果2012

    • 著者名/発表者名
      村上晃一, 小手川恒, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2012-09-20

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi