研究課題
本研究課題では、金属ドープ芳香族炭化水素超伝導体の超伝導機構解明を目指して、伝導性および超伝導性を支配する相互作用を実験的に明らかにするために、金属ドープ芳香族炭化水素超伝導体とその関連物質について、光電子分光および逆光電子分光により電子構造を実験的に明らかにすることを目的として研究を行ってきた。本年度は、昨年度に引き続き、薄膜作製・評価装置を用いて作製した真空蒸着膜の物性を研究した。電気抵抗測定が比較的容易に行えるマイカ基板を用いた。その結果、室温蒸着においてKドープ量の増加に伴い電気伝導率が二山構造を持つことを見いだした。電気抵抗の温度変化の測定からは、低温において接触抵抗等の外因的な要因が結果に大きな影響を与えていることが示唆された。Kドープディベンゾペンタセンの研究から低温蒸着で金属相の生成が示唆されている研究結果を参考に、真空蒸着薄膜に30KにおいてKを真空蒸着し物性測定を行った。Kドープ量の増加に伴い電気伝導率が二山構造を持つことを見いだした。また、低温蒸着膜は5Kまで電気抵抗測定が可能なこと、電気抵抗はほとんど温度変化を示さないことを見いだした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Physica C: Superconductivity and its Applications
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http://dx.doi.org/10.1016/ j.physc.2015.02.015