沈み込みプレート境界で発生するスロー地震には,水の存在が大きく関わっていると考えられる。本申請研究では,蛇紋岩のすべり特性がスロー地震の発生と密接に関わっているとの仮説のもと,すべり特性が流体の存在によりどのような応答を示すかを実験的に検証した。その結果、間隙水圧が著しく高い条件で蛇紋石が脱水すると、不安定なすべり挙動を示し、また応力の開放速度は通常の物質よりも著しくゆっくりであることがわかった。これらの結果に基づき、沈み込みプレート境界に存在する蛇紋岩の脱水分解によりスロー地震が誘発されるとのモデルを提案した。
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