熱帯降雨観測衛星(TRMM)搭載のレーダデータ、また客観解析データを用いてヒマラヤ域、インド西ガーツ山脈、ミャンマーの西の山脈域の降雨特性を調べた。総降水量には降水頻度と降水時降雨強度が寄与するがヒマラヤ南縁域ではこの割合は大気の安定度と大気下層に流入する水蒸気量にコントロールされていることが示され、これはインド西ガーツ山脈域やミャンマーの西の山脈域でも確認された。比較として熱帯海上の降水システムの特徴をレーダデータや静止気象衛星のデータから調べ、典型的な雲降水システムの発達過程の知見と整合性のある明瞭な時間変化を統計的に確かめることができた。またそれによる大気加熱の鉛直構造も得られた。
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