研究課題/領域番号 |
24340120
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 衛 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (20210560)
|
研究分担者 |
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (40314025)
山本 真行 高知工科大学, 工学部, 教授 (30368857)
齋藤 享 独立行政法人電子航法研究所, その他部局等, 研究員 (40392716)
阿部 琢美 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, その他部局等, 准教授 (40255229)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 地球惑星電離圏 / 地球惑星上層大気 / ロケット観測 / 地上観測 / 中規模伝搬性電離圏擾乱 |
研究概要 |
中緯度域の電離圏波動は中性=電離大気間の相互作用と、地球磁場を介したF領域・E領域の相互作用が絡み合って発生するとされるが詳細は不明である。本研究は、ロケット観測と地上観測の連携観測によって中規模伝搬性電離圏擾乱(MSTID)の生成機構を解明することを目的としている。H25年度中には以下の研究を実施した。 まずJAXA宇宙科学研究所(以後、宇宙研)が実施する観測ロケット打上げについて、ロケットの組立・調整作業を実施した。航空機からのリチウム撮像のため、カメラ固定治具を製作した。また地上からの撮像と2周波ビーコン受信機の設置を進めた。観測条件をリアルタイム検出するためのシステムを開発した。以上の準備を経て、7月20日の23:00と23:57にそれぞれ観測ロケットS-310-42号機とS-520-27号機が打上げられた。観測は成功であり、MSTIDが発生している領域のin situ (その場)観測とリチウムおよびTMAを用いた風速観測、ロケットから地上までのビーコン観測などが行われた。個々の観測機器の解析が実施され、観測領域には水平方向の非一様性が発達しており、電子密度と電場の変動する様子が明らかにされた。一方、米国NASAがリチウム放出を含む観測ロケット実験を4月と7月にそれぞれクワジャリン環礁とワロップス実験場から行ったが、本研究の班員が地上および航空機からの撮像に参加した。一方、国際宇宙ステーションからの大気光イメージング観測装置は順調に継続され、広域の電離圏の波動現象についての解析が行われた。 本研究には研究分担者に加えて以下の研究者が参加した。 連携研究者:斉藤昭則(京都大学・理)・渡部重十(北海道大学・理)・津川卓也(情報通信研究機構) 研究協力者: Miguel Larsen (米クレムソン大学)・Rob Pfaff (米NASA/GSFC)・Paul Bernhardt (米NRL)・Roland Tsunoda (米SRI International)・横山竜宏 (情報通信研究機構)・石坂圭吾 (富山県立大学)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究活動の内で最も重要であった観測ロケットの打上実験を成功裡に実施することができた。搭載された観測装置は全て順調に稼働し、リチウムおよびTMAの放出実験と航空機および地上からの撮像にも成功した。ロケットからの2周波ビーコン波の受信についても、海上のボートからの受信が不具合であった以外は成功している。実験後の個別機器の観測データ解析も順調であって、年度終わりまでに個別の結果を得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度となる平成26年度には、研究会を開催して観測装置間のデータの比較検討を行い、研究を取りまとめ論文を出版する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
観測ロケットの打上げが予定された期間のはじめの日に実施されたことから、観測経費が当初予定よりも減少したため、次年度使用額が生じた。 主として、日米にわたる本研究の関係者が集合する研究会の旅費として活用する計画である。
|