研究課題/領域番号 |
24340124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
高須 晃 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (00183848)
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研究分担者 |
亀井 淳志 島根大学, 総合理工学研究科, 准教授 (60379691)
ロザー バリー 島根大学, 総合理工学研究科, 准教授 (60325040)
赤坂 正秀 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (20202509)
大平 寛人 島根大学, 総合理工学研究科, 准教授 (60273918)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | テクトニクス / 変成岩 / エクロジャイト / P-T経路 / 地質年代 / 三波川変成帯 / キルギス / モンゴル |
研究概要 |
1.変成岩岩石学,地質年代学,および地球化学的研究のために使用する岩石サンプルの採取と現地地質調査を,三波川変成帯(四国中央部,紀伊半島西部)のほか,キルギス(マクバル)とモンゴル(チャンドマン)の高圧~超高圧変成帯において行った. 2.採取した岩石試料と既存のサンプルについて,岩石記載とEP漁による鉱物化学組成の分析を行った.これらの研究により,高圧型変成帯において,エクロジャイト等の高度変成岩体が複数回の沈み込み変成作用を経験した後,地殻浅部へ上昇する普遍的テクトニクスが認められた.3.四国中央部別子地域瀬場のエクロジャイト相変成作用を受けた泥質片岩についてシュードセクション解析を行い,詳細な昇温期変成経路を明らかにした.これは,これまで同地域のエクロジャイトにおいて提案されていた昇温期変成作用とは異なるものであった. 4.四国東部眉山地域のざくろ石藍閃石片岩に初めてひすい輝石が含まれることを発見した.これらから眉山地域の高圧変成岩がエクロジャイト相に達していることが明らかになり,三波川変成帯におけるエクロジャイト相変成作用が四国中央部別子地域から四国東部の高越地域を経て眉山地域まで広がることが明らかになった. 5.紀伊半島西部で採取した岩石試料(主に泥質・砂質片岩)の調製とXRFおよびICP-MSによる主要元素および微量成分元素の化学分析を開始した. 6.モンゴルチャンドマン地域のエクロジャイトの地質年代測定(K-Ar法)を行った.エクロジャイトの高圧変成場からの上昇時期が岩体によって異なることが明らかになった. 7.研究成果を内外の学会において発表を行うとともに,関連研究者との討論を行った.また,研究成果を学術論文として印刷公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年6月より外国人の非常勤研究員を雇用したが,本人の自己理由により勤務を行わないまま8月に雇い止めとなった.11月より新規に非常勤研究員を雇用したが,結果として研究員が行う予定のおよそ半年分の研究が遅延した.また,微小領域年代測定のため使用するLA-ICP-MSが,学内の工事に伴う振動で故障し,平成24年度末まで使用できない状況となった.その後,装置の修理が完了し,年代測定手法の確立の作業を開始した.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,非常勤研究員の雇用問題とLA-ICP-MSの故障により,研究は当初予定よりやや遅れた状態にあるが,現在はこれらの問題は解決している.平成25年度は非常勤研究員の勤務時間を増やし,これまでの研究成果の公表(学会発表,論文投稿)にむけた活動を強化する.LA-ICP-MSによる年代測定法確立については,他大学の研究協力を得て早急に進める予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
非常勤研究員の雇用問題とLA-ICP-MSの故障のため当初予定した研究が実施できなかかったことと,地質年代測定および地球化学分析のための三波川変成帯のフィールド調査・試料採取が平成24年度末となってしまったため,試料処理のための研究費が一部未使用となった.平成25年度は非常勤研究員の勤務時間増,LA-ICP-MSによる年代測定法確立,平成24年度に採取した岩石試料の処理を迅速に行い,研究計画の遅れを取り戻す予定である.
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