研究課題/領域番号 |
24340134
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川本 竜彦 京都大学, 理学研究科, 助教 (00303800)
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研究分担者 |
三部 賢治 東京大学, 地震研究所, 助教 (10372426)
山本 順司 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (60378536)
石丸 聡子 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (60464046)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マグマ / 水流体 / 蛇紋石 / マントル捕獲岩 / マントルウェッジ / マントル交代作用 / 超臨界流体 / 堆積岩 |
研究概要 |
今年度は以下の研究成果を得た。一部は論文として公刊し、その他は、学会発表した。 今後、論文投稿にこぎつけていきたい。 1高温高圧実験によって、高Mg安山岩と水系、堆積岩と水系における臨界終端点の圧力条件を 決定した。その結果が沈み込み帯のマグマ生成論に与える意義を考察し、沈み込み帯の マグマ成因論における新しい作業仮説を提案する論文を公刊した。 2フィリピンのルソン弧にあるピナツボ火山のマントル捕獲岩の液体包有物の塩濃度と 岩石記載を行い、沈み込み帯のマントルウェッジに炭酸ガスを含む塩水が存在することを確認した。 塩濃度は海水と同じ程度である。現在、論文を投稿中である。 3蛇紋石の高圧相であるアンティゴライトとH2Oを共存させ、高温高圧条件でその場観察を行い、 蛇紋岩の脱水分解反応で生成される水流体の化学的性質を解明した。 4カムチャッカ(ロシア国)のアヴァチャ火山のマントル捕獲岩に含まれる流体包有物の塩濃度を測定した。 その結果を、これまでの研究によりわかっている捕獲岩のマントル交代作用との関連を考察した。 5ペリドタイト-水系の高温高圧実験の急冷回収物を電子顕微鏡で観察し、急冷回収組繊のマグマと流体、そして超臨界流体の化学組成を決定した。その結果、圧力が高くなるに従い、マグマと水流体中に含まれる珪酸塩成分の化学組成が変化していることを初めて突き止めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体としては、当初の計画通り進んでいる。マントルウェッジ流体の化学組成に実験や観察から制約条件を与えつつある。カムチャッカの試料採集は相手国の研究者の事情もあり進んでいないが、すでに採集した試料の記載は着々と進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り進める。ロシア国のカムチャッカ半島、アヴァチャ火山への試料採集旅行、ならびに、フランスでの放射光実験のための旅行経費、いずれも年度初めにその年度に実施できるか定かではないが、機会があれば実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
外国への試料採集旅行と放射光実験の実施は、共同研究者の事情によりスケジュール通りには進まないため、変更する必要があった。今後、当初の予定通り進めたい。
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