研究課題/領域番号 |
24340137
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山下 勝行 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (50322201)
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研究分担者 |
富岡 尚敬 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (30335418)
長尾 敬介 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40131619)
日高 洋 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10208770)
米田 成一 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, その他 (60210788)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地球化学 / 隕石 / 同位体 |
研究概要 |
本研究では、代表者が開発してきたMn-Cr, Fe-Ni同位体分析を、希ガスやAl-Mgを含むマルチ元素同位体分析へと発展させることで、太陽系形成から最も始原的な分化隕石母天体形成(始原的エコンドライト母天体)までの太陽系進化史の解明に取り組んでいる。 本年度は、岡山大学・大学院自然科学研究科のクリーンルームで分離したCrやNiの精密同位体分析を表面電離型質量分析装置(TIMS)と多重検出器高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(MC-ICPMS)で行う体制が整い、ターゲットとなる隕石試料の分析を開始した。特にNiの超精密同位体分析に関しては、同一試料をTIMSとMC-ICPMSの両方を用いて分析することで極めて信頼性の高いデータを得ることに成功した。Al-Mg年代に関しては、カリフォルニア大学にて、協力研究者のQing-zhu Yinとともに分析を進めており、複数のCAIから高精度Al-Mg年代を得ることに成功している。さらに、U-Pb年代測定に関してはオーストラリア国立大学のYuri Amelinらと共同で巨大コンドリュール(Mega-chondrule)の分析を進めている。年代測定以外では、不均一な同位体異常を示すエコンドライト発見するなど、初期太陽系における同位体の不均一性を理解する上で重要な情報を得ることに成功している。また、研究実施計画で述べた、分析対象となる隕石の岩石学的・鉱物学的記載も順調に進んでいる。 以上、CAIからコンドリュール、そして分化隕石の記載と分析は順調に進んでおり、本研究の目標である「太陽系最初の1000万年の物質科学的進化の解明」に向けて必要なデータは着実に蓄積されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で目標としていた、マルチ元素同位体分析の開発は順調に進んでおり、CAI、コンドリュール、エコンドライトの年代学的・同位体化学的データが出そろいつつある。希ガスの分析のみ、試料の準備の都合上やや遅れているが、これに関しても平成26年度の前半には行う予定である。また、Al-Mg年代測定を行ったCAIの一部に関しては、今後さらに詳しい鉱物学的記載を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って、コンドライトから始原的エコンドライトまでの同位体分析を中心に進めていく。Mn-Cr, Fe-Ni, Al-Mgや希ガスの同位体分析と並行して、微量元素の定量分析も行う。また、CAIの分析に関しては、純度の高い鉱物分離を行う必要があるので、微小な鉱物相の分離法の開発にも着手する。一方、エコンドライトで発見された同位体の不均一性についてさらに深く追求するためにTiの同位体分析にも力を入れる。これに関しては、フッ酸処理やイオン交換を用いた化学処理、および表面電離型質量分析装置を使った同位体分析の手法は概ね完成している。今後さらに高精度のデータを得るため、MC-ICPMSを使った分析法の開発も計画している。
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