研究課題
本研究では、「細胞超活性プラズマプロセス」を創成することを目的とする。本研究で『細胞超活性プラズマ』の実現のために、平成27年度は、平成26年度に引き続き、コンビナトリアル細胞活性解析を用いて、植物種子に対するプラズマ照射の成長促進効果について以下の項目について調べた。(1)細胞増殖活性メカニズムの解明:マイクロアレイ解析による分子生物学的検討を行った。プラズマ照射したシロイヌナズナの種を栽培し、発芽した状態のサンプルを解析した。プラズマ照射なしのコントロールに対する遺伝子発現変動を調べた所、酸化ストレス応答や、細胞分裂に関連する遺伝子発現変動が顕著に見られた。この結果はプラズマによる短時間の酸化ストレスに対する応答により細胞増殖を活性化している事を示す重要な結果である。またヨウ素デンプン反応を利用してプラズマの酸化作用を定量化することに成功した。この結果を活用して、更なるメカニズムの解明を進めることができる。(2)超活性プラズマの創成:多世代に亘るシロイヌナズナへのプラズマ照射実験を行い、発芽サンプルに対するマイクロアレイ解析を行った。世代を経るとともに遺伝子発現変動量が単調に増加している事を明らかにした。詳細については現在検討中であるが、プラズマ照射による遺伝子発現変動の蓄積について、分子生物学的に初めて明らかにした結果である。(3)予想以上の成果:シロイヌナズナの種子へプラズマ照射したのち、植物インキュベータで栽培後に種を収穫したところ、収穫時期で10%短縮、収穫量で50%増加することを明らかにした。この結果は、プラズマ照射による促成栽培と収穫量増加の可能とする細胞超活性プラズマとして食料問題やバイオ燃料などのエネルギー問題に貢献出来る可能性を示している。この成果については、米国電気学会、米国真空学会、ドイツ物理学会、応用物理学会のニュースとして取り上げられている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 14件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
MRS Advances
巻: - ページ: 1-5
10.1557/adv.2016.37
Appl. Phys. Express
巻: 9 ページ: 016201
10.7567/APEX.9.016201
Scientific Reports
巻: 5 ページ: 17781
10.1038/srep17781
IEEE Trans. Plasma Science
巻: 43 ページ: 4081-4087
10.1109/TPS.2015.2488619
MRS Proceedings
巻: 1723 ページ: -
10.1557/opl.2015.12
10.1557/opl.2015.39
Proc. 68th GEC/9th ICRP/33rd SPP
巻: 60 ページ: LW1.143
巻: 60 ページ: LW1.58
巻: 60 ページ: TF1.2
http://plasma.ed.kyushu-u.ac.jp/index.html