蛋白質・溶液等の凝集系における分子の励起状態を正しく計算しなければ、光が関わる生命現象の分子メカニズムの解明や光増感太陽電池の分子設計は不可能である。その為には、分子環境の量子的効果をも記述できる理論を開発することが必要である。凝集系における溶質-溶媒分子複合系の励起波動関数の構造を明らかにし、分子間相互作用を効率的に記述する波動関数を構築した。更に、この波動関数を解くための方程式を導出し、数値計算を行うための計算プログラムを開発し、幾つかの分子に適用した。今後、このプログラムの効率化を進め、動力学との関わりに関する研究へと展開する計画である。
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