孤立分子イオン種のレーザー誘起発光スペクトルを観測することを目指して、エレクトロスプレー-イオントラップ-レーザー励起発光観測-飛行時間型質量分析装置を開発し、以下の成果を上げた。(1)人工光合成系で重要な錯イオンRu(bpy)32+を孤立分子状態でレーザー光解離アクションスペクトルを初めて測定した。溶液中で観測されるMLCT吸収帯に対応する450nm付近の2光子で配位子の脱離が主に起こっていることが明らかになった。(2)ローダミン590色素イオンをイオントラップに保持し、レーザー誘起蛍光スペクトルの観測に成功した。これにより、発光を介したさまざまなイオンの観測が可能になると期待される。
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