研究課題/領域番号 |
24350020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鍋島 達弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (80198374)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 超分子 / チオフェン / 蛍光 / ジピリン / ホウ素錯体 / ゲルマニウム錯体 |
研究概要 |
チオフェンをジピリンのα位に導入した化合物、およびその類縁体となるチオフェン環をスペーサーとするジピリンの二量体、三量体の合成を行った。またこれらのホウ素錯体への変換にも成功した。得られた化合物の同定はNMR、元素分析、Uv-visスペクトル、蛍光スペクトル、質量スペクトルによって行った。 これらの化合物は長波長領域に吸収および発光を有し、二量体、三量体では発光が近赤外領域にまで達した。このようにチオフェン環の導入が長波長化に非常に有用であることがわかった。またその量子収率は近赤外領域の発光としてはかなり高く、バイオイメージングや太陽電池への応用においても有用性が期待できる化合物であることも明らかとなった。またリボン状典型元素錯体の前駆体となる配位子の合成についても予備的な検討を行い、得られることがわかったので、引き続き最適条件を検討している。 またジピリンの典型元素錯体の基本物性を明らかにするために、ジピリン部位にフェノール部位を導入した分子を各種合成し、そのゲルマニウム錯体、チタン錯体などを合成してその構造及び光学特性を明らかにした。特にゲルマニウム錯体では安定に超原子価化合物である5価のゲルマノールが生成することを見いだした。この分子はケイ素錯体の場合のように、脱水反応によりゲルモキサンへと変換可能であり、大きく光学特性が変化することも明らかにした。特にこれらの錯体は相当するケイ素錯体よりもさらに長波長側に吸収および発光を示すことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成を計画した配位子を種々得ることに成功しただけでなく、それぞれのホウ素錯体なども高収率で得ることができた。また今後の研究に不可欠である各種ジピリン-典型元素錯体の構造や光学特性についても明らかにすることができた。このように次年度の研究推進に有用な知見を多数得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
基礎的な知見が相当数得られたので、さらに他の構造モチーフをもつジピリン類を合成するとともに、得られた典型元素錯体の集積化と物性変換に向けての検討を行い、目的の達成を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該助成金(429,500円)については、3月末に日本化学会春季年会参加のための旅費として既に執行済みであり事務手続き上、支払いが4月となったものである。
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