ゲルミレン配位子を有する四核パラジウム平面錯体と三核白金錯体をそれぞれプロトン酸と反応させ、生成物の構造を明らかにした。反応及びその生成物は、用いる酸によって大きく変化し、弱酸のクレゾールを用いるプロトン化は可逆に進行した。 トリフルオロ酢酸をプロトン源に用いたところ、平面四核錯体のプロトン化の中間には、四核平面に1個の橋かけヒドリド配位子が結合した錯体が生成した。さらに、この錯体はヒドリドを保ちながら、一つのPd-Si結合が開裂し、二座ホスフィンで四核部分が結合した八核錯体を生成した。これらの結果に基づき、プロトン化とこれに伴う分子構造変化の機構を解明することに成功した。
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