新規二核ルテニウムアコ錯体の合成法の開拓と水の酸化触媒反応を研究した。キレート配位子LとRu(tpy)Cl3との反応では、単核錯体trans-RuLOH2が優先的に生成するため、後続の二核化反応の進行が立体的に困難である。しかし、trans-RuLOH2水溶液に可視光を照射することにより、光異性化によりcis-RuLOH2が化学量論的に生成することを見出し、cis-RuLOH2から目的の二核ルテニウム錯体を合成することに成功した。種々の置換基を導入した二核ルテニウム錯体誘導体も合成し、水の酸化触媒活性を明らかにした。
|