研究課題/領域番号 |
24350039
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大塚 浩二 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70183762)
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研究分担者 |
久保 拓也 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授(Associate Professor) (20374994)
内藤 豊裕 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教(Research Associate) (10711806)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 分離科学 / キャピラリー / マイクロチップ / 電気泳動 / 分離検出 |
研究概要 |
キャピラリー電気泳動 (CE) 及びマイクロチップ電気泳動 (MCE) を基礎とする高性能バイオ分離分析システムの開発について,オンライン試料濃縮法及び質量分析 (MS) 検出の適用による高性能分離検出システムの構築と,タンパク質や糖鎖分析のための新規分離場の創成についての拡張的検討を中心とした検討を行った。特に,①高性能オンライン試料濃縮法の確立,②分離チャネル-インターフェース一体型マイクロチップによるMCE-MSの高性能化,③オンライン試料濃縮適用CE/MCE-MSの実現,④高機能微粒子等を利用する選択的分離場の創成によるCE/MCEの高性能化が重点課題である。 高性能オンライン試料濃縮法の一つであるLVSEP法のCEへの適用において,分離キャピラリー内表面をカチオン性ポリマーで修飾することで電気浸透流の向きを逆転させ,これまでアニオン性物質に限られていた対象試料範囲をカチオン性試料にまで拡大し,同時に不斉識別剤を分離溶液に添加することで,LVSEP法をカチオン性光学異性体試料に適用して高感度キラル分離の実現に成功した。 また,CE-MSにおける高感度検出実現のため,エレクトロスプレーイオン化 (ESI) インターフェースを利用するLVSEP-CE-MSについて,基礎的検討と構築したシステムの性能評価を行った。その結果,数種のモデル試料のオンライン試料濃縮電気泳動分離並びにそれぞれの成分のMS検出に成功した。 さらに,官能基間距離固定化法を利用した分子インプリント技術を用いることで,環境水中に存在する特定汚染物質の選択的濃縮分離を可能にする新規分離媒体の開発に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した内容をほぼクリアしているとともに,当初想定していなかったいくつかの新たな知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に当初計画に基づき,各目標の達成に向けて研究の進展を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費支出が予算に比べ大幅に減少した。既得物品の利用,価格の引き下げ,購入先の変更による費用抑制等によって経費の削減に成功したためである。一方,研究の順調な進捗により国際学会での発表件数が増え,海外旅費を中心に旅費支出が増大した。 次年度(最終年度)においては,当初予定金額との合算使用により,より効率的な予算配分・使用を目指し計画の遂行に努力する。
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