本研究では,多様な骨格や官能基を有する新規キラルケイ素分子の高効率的な不斉合成法を開発した.具体的には,ジヒドロシランの不斉非対称化を伴うアルキンとのヒドロシリル化反応と,アキラルシラシクロペンテンオキシドの不斉ベータ脱離反応を開発し,それらの反応によりキラルアルケニルヒドロシランとキラルシラシクロペンテノールを高エナンチオ選択的に不斉合成することに成功した.さらに,不斉合成したキラルケイ素分子の高立体選択的な変換法を開発し,その研究過程でセロトニン受容タンパクに対する顕著な結合活性を示すキラルシラシクロペンタン誘導体を見出した.
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