有機反応と酵素反応のワンポット化を指向した糖オキサゾリン中間体を基盤とする基礎研究を行った。市販のSGオリゴ糖に各種糖加水分解酵素を順次作用させることにより,還元末端にN-アセチルグルコサミンをもつ各種オリゴ糖の調製を行った。得られた2-アセタミド-2-デオキシ糖に水溶性2-クロロイミダゾリニウム塩を作用させると,対応する糖オキサゾリンが95%以上の高収率で生成すること見出した。また,酵素活性の制御のためのモデル物質として,キトオリゴ糖含有熱応答性高分子を合成した。これらの結果を踏まえて,均一な糖鎖を有する糖タンパク質やヒトミルクオリゴ糖をワンポットで高収率で化学酵素合成することに成功した。
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