水溶液中で特定の物質を検出する化学センサーへの応用を目指して、親水性のポリエチレングリコール(PEG)で表面被覆された発光性カドミウムカルコゲニドクラスターの光学特性を調べるとともに、有機小分子との相互作用による集積化、発光増強の機構に関して基礎的観点から考察を進めた。その結果、クラスター由来の光学特性がPEG部位の鎖長に依存することを明らかとし、取り囲むPEGの極性が無機コアの電子状態に影響を与えることを明らかとした。また、環境汚染物質とも関連する親油性のフェノール類がPEGとの弱い相互作用によってクラスターの集積化を誘起し発光増強をもたらすことを明らかとした。
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