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2012 年度 実績報告書

海水中における水銀の有機化(メチル化)反応に及ぼす環境要因の影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24350080
研究種目

基盤研究(B)

研究機関国立水俣病総合研究センター

研究代表者

松山 明人  国立水俣病総合研究センター, 疫学研究部, 室長 (00393463)

研究分担者 永野 匡昭  国立水俣病総合研究センター, 基礎研究部, 主任研究員 (10393464)
矢野 真一郎  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80274489)
多田 彰英  長崎大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90144328)
田井 明  九州大学, 大学院・工学研究院, 特任助教 (20585921)
岩崎 一弘  国立環境研究所, 地域環境センター, 主任研究員 (30193717)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード水銀 / 有機化 / 環境要因 / 室内実験 / 栄養塩
研究概要

九州大学工学部内・実験棟に室内実験系を構築しておりほぼ完成した状態にある。本実験系は、海水中における水銀の有機化(メチル化)をシミュレートするために設計されており、200L水槽の水温、光の有無、塩分濃度、DO濃度等を調節できる。平成25年5月以降の本格稼働を目指し、当国立水俣病総合研究センターおよび九州大学工学部との間で鋭意準備が進められている。特に今回の検討では、水槽からの分析用海水の取得からろ過までの一貫した作業を九州大学にお願いすることになることから、事前の作業工程の確認および操作の確実性を確認しておく必要があることから、これまでに3回程度、お互いの研究施設とその内容を確認し、実験演習をおこなった。また実験に必要な海水の取得も可搬型の水中ポンプを一部改造した上で購入することにより対応することとした。一方、本実験系を稼働させるためには、各環境条件がどの程度、海水中の水銀メチル化に関与しているかを先ず把握することが重要である。昨年度来、課題となっていた栄養塩(アンモニア、硝酸、亜硝酸、リン等)、溶存態炭素(DOC)測定も、鹿児島大学および機器納入業者間における同一試料を利用した分析値比較検討の結果より、ようやく信頼性の確保に関して目途が立ち、現在、分析を日々実施中である。平成25年度前半迄に、これまでの全データをまとめ、ステップワイズ方式の重回帰分析により解析を行い、環境要因の実験組み合わせを決定する。また海洋微生物を想定した栄養塩類の調整方法についても、目途が立ち新たな微生物群集解析手法について現在その適用を考慮しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

室内実験系の構築はほぼ終了し、室内実験の目途が立った。更に栄養塩等の分析も現在順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

重回帰分析はまだ未実施であるので、環境要因間の水銀の有機化に関する影響度について評価ができていないが分析が全て終了次第、解析を行い各環境要因の組み合わせによる室内実験を開始できる。
基本的に計画の変更は考えていない。九州大学内に設置されている室内実験系を有効活用し、水銀の有機化に対する環境要因の組み合わせ効果について確実にデータを蓄積していく。先ず室内実験を軌道に乗せることが先決であると考えており、今後九州大学チームとの漏れのない情報交換体制の構築も急務であると考えている。

次年度の研究費の使用計画

水槽を用いた室内基礎実験の運用及び、海水中の微生物に関する研究についても重点的に予算配分する。また当センターとしては今後、室内実験より供給される大量の分析試料について対応するため、総水銀分析に関する測定操作を簡便化させるべく、次年度予算で総水銀分析装置専用オートサンプラーを購入する(150万程度)。尚、本装置は今年度未使用額である3,747,756円の中より運用することを予定している。残額分については、九州大学内で実施される室内実験の拡張に伴う水槽の増設や、これに伴う備品等の調達に充当することを予定している。

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公開日: 2014-07-16  

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