円偏光は様々な次世代応用が期待できることから,高いg値を有する円偏光発光素子の実現が望まれている。電気化学発光(ECL)は、電気化学反応による発光現象であり,これを利用した発光素子は構造が簡素で,作製が容易である。 本研究では,ミリ秒程度の応答速度と高い発光強度が得られる交流駆動ECLに,円偏光の発現が期待できるDNA複合体を組合せることで高いg値を有する円偏光発光素子の実現を目指した。具体的には,機能性分子と複合可能なDNA膜中にECL材料であるRu錯体を導入し,交流電圧下におけるECL特性の評価を行った。その結果,電圧印加後,サブミリ秒での高速発光応答が得られることが明らかとなった。
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