研究課題/領域番号 |
24350096
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
若山 裕 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (00354332)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / 分子ワイヤ |
研究概要 |
本研究の目的は一次元構造に加工した分子ワイヤを用いて多値論理素子を開発することにある。そのためまず閾値電圧の異なる複数の分子ワイヤトランジスタを共通のソース・ドレイン電極に並列接合し、次にそれぞれの分子ワイヤに個別にゲート電極を接合させた素子構造がこの特長となっている。ここで各ゲート電極から電圧を印加して、それぞれのワイヤに流れる電流量を独立にスイッチする。これにより総電流量を多段階に制御できる多値論理素子とする。有機材料が容易に加工できることを利用して「分子ならでは」のワイヤトランジスタ作製技術を確立し、これを多値論理素子という機能へ発展させて「ワイヤならでは」の新しい動作原理を実証する。 これまでナノインプリント法による分子ワイヤ作製条件の最適化を進めてきた。材料はポリチオフェンやポリフルオレンなどのπ共役系高分子材料を対象としてきた。その結果、直径50nm以下のナノワイヤ構造に加工するとπ共役系高分子の配向性(結晶性)が向上することが確認された。ただし材料系により配向方向が異なることも見出された。いずれの場合も導電性の向上が期待できる。 今後やこれら分子ワイヤとソース・ドレイン電極との接合、ゲート絶縁膜の成膜とゲート電極の配線に取り組み、多値デバイス動作の実証に注力する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既にナノインプリント法による分子ワイヤ作製方法は確立できた。さらにこの手法で作製された分子ナノワイヤにおける高分子鎖の配向性が向上することも確認できた。最終目標のデバイス動作を実証するためには電極との接合技術が必要とされる。これまでの進捗を元に今後は電極との配線技術の確立に取り組みデバイス動作の実証まで進める。
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今後の研究の推進方策 |
今後やこれら分子ワイヤとソース・ドレイン電極との接合、ゲート絶縁膜の成膜とゲート電極の配線に取り組み、多値デバイス動作の実証に注力する。これらの実験のためマスク法による電極作製やマイクロコンタクト法による接合・配線技術に取り組む予定。
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