研究課題/領域番号 |
24350097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
樋口 昌芳 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端的共通技術部門, グループリーダー (80306852)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メタロ超分子ポリマー / メモリデバイス |
研究概要 |
【研究目的】本研究は、メタロ超分子ポリマーの導電機構を解明し、RAM機能を有する不揮発性メモリを開発することを目的とする。具体的には、金属イオンや有機モジュールの異なるメタロ超分子ポリマーを用いることで、ポリマー鎖内及び鎖間の電子移動過程を解明し、低電圧かつ高速で駆動する不揮発性メモリデバイスを開発する。 【平成24年度研究実績】:下記2項目に関する成果を得た。 (1)金属イオンの違いがメモリ特性に与える効果の解明、(2)有機モジュールの構造がメモリ性能に与える影響の解明 【成果の内容】これまでに、コバルトイオンからなるメタロ超分子ポリマー膜の1-V特性を測定し、5Vで電流の可逆なスイッチング変化が起こり、これにより不揮発性メモリ特性が発現することを明らかにしている。今回、ジアミノ部位を有するコバルト錯体を合成し、これとジアルデヒドを脱水縮合させることで、コバルトイオンを含むメタロ超分子ポリマーを合成した。得られたポリマーはNMRによって同定された。形成したイミンプロトンと末端のアルデヒドプロトンの積分比から、ポリマーの平均重合度は18と見積られた。同様の縮合反応により、鉄イオンを含むメタロ超分子ポリマーの合成にも成功した。得られたコバルト、及び鉄を含むメタロ超分子ポリマーの分光学的特性及び電気化学特性を明らかにし、これらのメタロ超分子ポリマーが電気活性であることを確認した。また、メタロ超分子ポリマーにおいて、用いる金属イオンや有機モジュールの違いによってメモリ性が変わることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究期間(3年間)で行う予定の当初作成した以下の5つの研究計画の内、平成24年度において(1)と(2)に関する成果を得たため。 (1)金属イオンの違いがメモリ特性に与える効果の解明 (2)有機モジュールの構造がメモリ性能に与える影響の解明 (3)電荷のホッピング伝導におけるカウンターアニオンの役割の解明 (4)ポリマー薄膜作製方法とメモリ特性の相関関係の解明 (5)分子設計に基づく新しい不揮発性メモリデバイスの確立
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今後の研究の推進方策 |
本研究期間(3年間)で行う予定の当初作成した以下の5つの研究計画の内、平成25年度は予定通り(3)と(4)に関する研究を推進する。 (1)金属イオンの違いがメモリ特性に与える効果の解明 (2)有機モジュールの構造がメモリ性能に与える影響の解明 (3)電荷のホッピング伝導におけるカウンターアニオンの役割の解明 (4)ポリマー薄膜作製方法とメモリ特性の相関関係の解明1 (5)分子設計に基づく新しい不揮発性メモリデバイスの確立
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次年度の研究費の使用計画 |
予定した人件費との差額等により生じた繰り越し予算(45,105円)は、次年度予算の物品費(消耗品費)に含めて上記研究計画の推進のために使用する予定。
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