研究課題
半導体電子回路の集積密度は飽和を迎えつつあり,これを克服する一つのアプローチとして速く信号を伝えられる光回路を組み込むことが提案されているが,光の回折限界により光回路を微細化された電子回路に組み込むことは困難である。本研究では,高速性と微細性を兼ね備えた次世代情報伝達・処理回路の要素技術を開発するため,電子と光を結び付ける技術として金属/誘電体の界面に局在する電磁モード,すなわち表面プラズモンポラリトン(SPP)に注目している。 これまで,金属層としては金や銀などの貴金属が用いられてきたが,貴金属には吸収損失が大きいという欠点がある。前年度までの研究において,導電性酸化物や導電性窒化物が貴金属代替材料として有望であることが明らかになった。たとえば,錫を添加した酸化インジウム(ITO)および窒化チタン(TiN)のエピタキシャル薄膜に対して反射率測定を行った結果,薄膜成長条件を最適化することにより,ITO薄膜は近赤外(1500nm付近),TiN薄膜は可視域において低損失プラズモニック材料となることがわかった。平成26年度は,高品質ITO薄膜およびTiN薄膜に対してナノインプリントおよび反応性イオンエッチングを施して周期ナノドットアレイを作製し,プラズモニクス特性を評価した。両薄膜ともナノ構造の存在に基づく回折効果によりSPPの分散特性が変化する様子が確認され,これらの材料が次世代情報伝達・処理回路の実現に向けて有望であることが明らかになった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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