材料科学においては材料の異方性の制御がしばしば重要となる。異方性のゲルを作製する方法の一つとして透析による方法がある。この方法はエントロピー的な利得とエネルギー的な利得を自動的にバランスさせて、分子配向性を持ちながら大量の溶媒を抱え込むことができる異方性ゲルを自己組織的に作製できる利点がある。その形成ダイナミクスは非平衡熱力学により解析できる。本研究では、このような液液接触系による異方性ゲルの作製条件、ゲル化のダイナミクスとゲル化メカニズムの関係を実験と理論により明らかにし、得られた作製原理を多様な実用的な系に応用することを試みた。
|