研究概要 |
(1)メソクリスタル化:周波数変調型の楕円磁場[Kimuraら, Langmuir, 22, 3464(2006)]を用いて懸濁媒体中のセルロース材料系の微結晶を3次元精密配向させるために、セルロース系材料系の微結晶の磁化率異方性データの取得を試みた。磁場配向材料のX線回折測定を行った結果、セルロースの繰り返しユニットであるセロビオースの磁化率の異方性データを得ることに成功した。この磁化率の異方性決定法は応用範囲が広く、種々な分野で利用されると考えられる。一方、セルロースについては、更なる微細化を行うことが必要である事が判明した。 媒体を除去して天然のセルロース結晶と同様の結晶構造を有するセルロースメソクリスタル(巨大単結晶)を作製するため、トリプトファン微結晶をモデル化合物として用いて静磁場下での予備実験を行った。その結果トリプトファンの一軸配向サンプルの作製に成功した。媒体なしの有機物の3次元配向材料は世界では試みられていないので、この予備実験の成功は大変意義がある。 (2)構造解析:X線回折測定により,配向支持体のゲル化および凍結を経て作製したリゾチーム擬単結晶の結晶構造解析を行うため、リゾチームと同じ結晶構造を有するアラニンで擬結晶作製条件の検討を行った。この研究は磁場3次元配向を達成する上でどういう磁場を印加するば良い配向が得られるかを示しており,、大変有用な研究である。凍結試料については、磁場化での作製方法を検討した。
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