二軸伸長は,高分子の成形方法として工業的に広く利用されている.この理由は,伸長によって物性が向上するためであり,幅広い高分子材料で利用されている.ガラス転移温度近傍や不均質系では,高分子は粘塑性応答を示す.こうした高分子について複屈折測定を組み合わせた二軸伸長実験を行って,その現象論的な記述を試みた.塑性的挙動を表す散逸項を新たに加えたひずみエネルギー理論は,粘塑性的挙動を示すガラス転移温度近傍の非晶性高分子や熱可塑性エラストマーの挙動をうまく記述した.このモデルの妥当性は,複屈折測定から確認することができた.
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