研究課題
平成24、25年度の研究により、波長約200 nm以上の深紫外光を透過する高純度・低転位密度(<1000個/平方cm)な窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板を実用化でき、その深紫外光透過性が低い炭素不純物濃度により発現することを明らかにすると共に、本AlN単結晶基板上に高出力な窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)系深紫外線LEDを作製可能であることを実証した。またAlNの結晶性が高いまま維持される成長条件のウィンドウを検討し、1450℃で50ミクロン毎時の成長を達成した。平成26年度は、AlN成長速度を増加させた際に生じる4.9 eVを中心とする吸収バンド発生の原因を解明した。様々な成長速度で成長したAlN結晶の光透過スペクトルおよび不純物濃度解析より、高成長速度の場合にシリコン(Si)不純物濃度が1桁高くなることが確認された。この原因がAlNの気相成長の原料である塩化アルミニウムガスと石英反応管の反応によるSi汚染と考え、反応管中で高温となり、かつ、塩化アルミニウムガスと接する部分を窒化ホウ素(BN)でコートすることでこれを抑制し、吸収バンドが消失した。さらに、高純度AlN成長条件下にて意図的なSiドーピングを行って成長したAlNバルク結晶の電気的特性の解析から、Siドーピングと同時にAlN結晶中に高濃度のアクセプタ型点欠陥(アルミニウム原子空孔)が形成されることが分かった。以上の基礎的な研究成果の積み上げにより、AlN単結晶基板の製造技術が完全なものとなった。これら一連の成果は産学で大変注目され、平成26年度中に国際会議3件、国内会議1件で成果が招待講演となった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Letters
巻: 104 ページ: 202106-1-4
10.1063/1.4878657