高エネ研放射光 PF-BL-6C実験ハッチ内に放物面多層膜X線ミラーを設置し、移相子と高精度AFC-5u型4軸回折計を制御した。これにより放射光X線を高効率で集光でき、X線共鳴磁気散乱強度が高精度で測定可能となった。 フェリ磁性化合物であるマグネタイについて、Fe K吸収端で微弱な共鳴磁気散乱信号を計測した。そのエネルギー依存性から、分光法では観測不可能な電子軌道をA、Bサイト独立に観測できた。その結果は、Feと隣接酸素原子、さらに遠方のFe原子との間で超交換相互作用が存在することを示唆する。更に、共鳴磁気散乱強度をフーリエ合成し、混成軌道が関与する磁性電子密度分布を求めた。
|