研究課題/領域番号 |
24360011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 卓也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50229556)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 確率共鳴 / DNA / シトクロムc / ネットワーク / 金微粒子 / ナノ電極 |
研究概要 |
確率共鳴を示す酸化還元ネットワークのテンプレートとしてDNAを用いている。本研究の主題のひとつは、このネットワークの中に金微粒子を導入して、静電容量を組み込み、系に積分機能(時定数)を与えることである。そこで、初年度は、金微粒子のDNAネットワークへの組み込みについて研究を行なった。 DNAネットワーク中に特定の間隔で金微粒子を導入するために、DNA折り紙を利用した。DNA折り紙を用いると、容易にきまったシーケンス部位を持つDNAの一次元鎖を形成することができる。しかし、この一次元鎖からなるDNAを水溶液から展開すると、ネットワークの網目の大きさは大きな分布を持ち、また水の表面張力により、大きな網目しかできない。このようなネットワークでは、トンネリングを主な伝導メカニズムとするデバイスを構成することはできない。ナノメートルサイズの均一な大きさの網目を持つネットワークが必要である。このような要求を満たす手法として、二成分溶媒系を用いた脱濡れ現象を用いれば、ナノサイズの網目を構造を均一に形成できることを発見した。 1次元鎖を形成するDNAおりがみの一部に一重鎖となるタグを組み込み、この部分と相補的なシーケンスを持ち、末端がチオールであるDNAオリゴマーを反応させて、そのあと、金の微粒子を導入した。その結果、約17nm間隔で金の微粒子がネックレス状態に配置したネットワーク構造を得ることに成功した。この金微粒子の配列は決まった間隔を持っているため、金微粒子の間に適切な長さの分子を架橋することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度末の異動に伴い、本研究に用いる装置を移動させた。本年度はその再立ち上げに多くの時間を要し、装置を充分に使用できなかったため、研究計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究に新たに学生二人、職員一人がかかわる体制が整ったので、当初研究計画に従って、本研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
直接経費次年度使用額は少額であるので、年度初めに、すぐに消耗品費として使用する予定である。
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