脳型情報処理を行う分子ネットワークを目指して、要素機能に必要な分子を探索した。長距離電気伝導を示す分子配線として自己ドープ型ポリアニリンに着目した。単分子内自由電子の存在、極低温(10K)オーミック伝導、300nmのコヒーレンス長が明らかになった。また、記憶に対応する多段階酸化還元が可能な金属ポリ酸を調べた。極低温(10K)での有限コンダクタンスや低い電荷エネルギー(0.03 meV)が明らかにした。さらに、低電圧動作可能な閾値素子として、金属タンパク質の単一分子伝導について調べ、電極と分子準位が疎結合、フローティング井戸が存在、電極間距離が3nm以上であることなどの必要条件が明らかになった。
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