昨年度までに設計・作製した活性種制御カテーテル型プラズマ源について、軽量化構造の検討などの改修を継続し、名古屋大学・反応科学超高圧走査透過電子顕微鏡(JEM-1000K RS)への設置準備を推進した。同プラズマ源は、反応科学超高圧走査透過電子顕微鏡の試料棒内に設置可能な、外形2mmのカテーテル型・特殊プラズマ源である。周波数2.45GHzのマイクロ波を用いており、これまでに大気圧を含む高圧条件下で、安定的に高密度なArおよびH2ガスプラズマを生成可能な事を確認している。一方、マイクロ波電源ならびに生成したプラズマからの電磁波ノイズが反応科学透過電子顕微鏡の動作には影響しないことも確認されているが、試料棒全体の重量が大き過ぎることと、高周波電力供給用ケーブルの剛性によって、試料棒先端部の微小動作が困難となる問題があった。そこで、本年度は、試料棒全体の軽量化と、より剛性の低い小径の電源ケーブルへの変更などを施した改良構造において、放電特性の評価を進めた。例えば剛性が低い一方で耐圧・耐電流性能が低い小径ケーブルでは、マイクロ波印加時において、ケーブルや接続端子付近での発熱が懸念される。そこで電源ケーブルへの負荷が抑制しつつ、安定的な放電条件の探索と供に、パルス波印加による発熱抑制効果なども詳細に検討した。 一方、CNWの初期成長機構については、ナノギャップを有するパターン基板上での成長によって、位置及び形状の選択成長機構に関する研究を進めた。今後、これらの結果もフィードバックして、素過程の解明に繋げる事が可能になるものと期待される。
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