研究課題
平成26年度は、平成25年度に改良したオージェ電子-光電子-イオンコインシデンス(EEICO)分光装置本装置を用いて測定したSi(111)-7×7のSiオージェ電子-Si-2s光電子コインシデンススペクトルを基に、Si(111)-7×7のSi 2s内殻正孔の緩和過程の研究を原著論文にまとめ、L23-1V-1状態の価電子帯正孔の非局在化はSi 2p正孔の寿命(33 fs)より速いこと、Si-L1L23V Coster-Kronig過程とSi-L1VVオージェ過程の分岐比は96.8:3.2であることなどを報告した。Si(111)表面に吸着した分子の個々の吸着サイトの局所電子状態、電子励起ダイナミクス研究行おうとしたところ、改良したコインシデンス分光器でも感度と分解能がまだ不十分であることがわかった。そこで、ダブルパス同軸対称鏡型電子エネルギー分析器、ダブルパス円筒鏡型電子エネルギー分析器、飛行時間型イオン質量分析器のサイズを倍にして感度と分解能を改善した新しいコインシデンス分光装置の製作に着手した。現在、部品がほぼそろったところで、完成には到っていない。また、現コインシデンス分光装置を用いて行える研究として、Au-N6,7VVオージェ電子-Au-4f光電子コインシデンススペクトルを測定し、Au-N6,7VVオージェ終状態は、1S0、1D2、 1G4、3P1、3F2、3P0、3F3、3P2、3F4の9種類あり、それぞれのオージェ終状態に至るオージェ遷移の確率は始状態のAu-4f5/2終状態とAu-4f7/2終状態で異なることを見出した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Phys. Soc. Jpn.
巻: 83 ページ: 94704-1-94704-5
10.7566/JPSJ.83.094704