高強度のフェムト秒レーザーを顕微鏡で水媒体に集光すると、集光点では効率的な多光子吸収により爆発現象が誘導され、衝撃波が発生し、その力は近傍にある微小物体に衝撃力として作用する。本研究課題では、この衝撃力により、ゼブラフィッシュや培養細胞層などの生体組織試料およびその疑似試料に弾性変形を引き起こし、その弾性変形の時間変化を原子間力顕微鏡(AFM)により検出する手法を開発した。その計測感度が細胞レベルであることを実証した。さらに、実験結果を有限要素法による数値シミュレーションと照合し、生体組織に潜在する応力の起源を同定し、その振動挙動からその形状や弾性を推定する新手法を考案した。
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