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2012 年度 実績報告書

バルク高温超伝導磁石を用いたマウス用MRIの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24360034
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

巨瀬 勝美  筑波大学, 数理物質系, 教授 (60186690)

研究分担者 仲村 高志  独立行政法人理化学研究所, 物質構造解析チーム, 専任技師 (60321791)
寺田 康彦  筑波大学, 数理物質系, 助教 (20400640)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードMRI / 超伝導磁石 / バルク磁石
研究概要

超伝導バルク磁石の均一性を向上させるためには,その着磁のプロセスを明らかにする必要があるため,クライオスタット内に装着した円環状のバルク磁石(c軸配向のシングルドメインEuBa_2Cu_30y結晶,外径60mm,内径28mm,高さ20mmを6枚積層)を,NMR用超伝導磁石が発生する均一な静磁場(4.74T)の中に置き,バルク磁石を100Kから50Kまで冷却しながら,バルク磁石内の静磁場分布をMRIによって計測した,バルク磁石の超伝導転移温度は93Kであり,計測を行った温度は,100,93,84,70,60,50Kとした.その後,磁石温度を50Kに保った状態において,NMR用超伝導磁石による静磁場を徐々に減少させ,外部磁場強度が4.74,4.0,3.0,2.0,1.0,0Tのときのバルク磁石内の静磁場強度分布を計測した.なお,静磁場計測には,3Dスピンエコー法を用いた位相シフト法と,硫酸銅水溶液ファントムを用いた.また,静磁場分布は,球面調和関数によるフィッティングにより,その不均一成分を評価した.以上の実験の結果,以下の事が明らかとなった.
(1)バルク磁石が超伝導転移点以下になると,勾配磁場コイルが発生する磁場は,バルク磁石によってスクリーニングされ,結果として,試料の位置における勾配磁場強度が30~40%程度低下した.
(2)外部磁場中での冷却のプロセスにおいて,静磁場均一性は,10ppm(100K)から約4ppm(80K以下)へと向上した.ただし,プロトンの共鳴周波数(202MHz)は,ほとんど変化しなかった.
(3)外部磁場強度を4.74TからOTへ減少させる過程において,共鳴周波数は,202.24MHzから202.18MHzへと約0.03%減少し,静磁場不均一性(peak-to-peak)は,4ppmから約110ppmへと上昇した.
以上の結果から,超伝導バルク磁石内に誘起された超伝導電流分布に関し,貴重なデータが得られた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

超伝導バルク磁石の着磁過程において,磁石内の静磁場分布をMRIによって計測することができ,着磁のメカニズムに関する貴重なデータを得た.また,勾配磁場に対するバルク超伝導磁石のスクリーニング効果を,定量的に評価することに成功した.

今後の研究の推進方策

より口径の大きな超伝導バルク磁石を採用することにより,静磁場均一度を向上させる.超伝導バルク磁石による勾配磁場のスクリーニング効果を,定量的に明らかにする.
本開発の良好な進捗状況と社会的情勢の変化を考慮に入れて開発費の使途を再検討した結果、

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の予算一部を繰り越してH25年度の予算と合算し、H25年度に集中執行することがプロジェクトの遂行にとってより重要であると判断した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Measurements of the Magnetic Field Distribution in the High Tc Superconducting Bulk Magnet During the Magnetization Process2013

    • 著者名/発表者名
      玉田大輝, 仲村高志, 巨瀬勝美
    • 学会等名
      International Society for Magnetic Resonance in Medicine
    • 発表場所
      Salt Lake City, Utah, USA
    • 年月日
      2013-04-22

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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