研究課題
「空と水」風タイリングアートの拡張については,エッシャーの本来の作品で採用されている場所による図地反転のほかに,見る方向による反転,時間変化による反転という二つの新しい視覚効果が可能であることを発見し,その作品例を作った.これは,2次元画像には奥行きの情報がないために,二つの方向から見たとき,それぞれ望みの形に見える一つの空間曲線が作れることを利用したものである.その結果,見る方向による反転は,タイリングの後ろに鏡を置いて二つの方向から同時に見るという呈示方法によって実現し,時間変化による反転では,タイルを回転させることによって実現した.入力図形にできるだけ近い図形によるタイリングを求めるエッシャー化タイリング問題に関しては,小泉と杉原の手法に数学的および計算実験による再考察を行い,さらなる改良について検討を行った.従来の手法では,入力図形を多角形によって近似し頂点のずれの二乗和で解の質を評価していたが,この手法に頂点の重みを導入することで,図形の特徴を保存するタイリングを求める問題の提案を行い,効率的なアルゴリズムの開発に成功した.この研究は,日本オペレーションズ・リサーチ学会の2015年学生論文賞(川出静,エッシャー風タイリング自動生成法の改良と応用,指導教員 今堀慎治)を受賞した.また,果物の表皮模様に最もよく合う一般化ボロノイ図を当てはめる手法を開発し,タイリングアートを平面から曲面へ拡張するための一つの基礎を作ることができた.さらに,タイリング図形が静止図形であるにもかかわらず,領域ごとにふらふら異なる動きをしているように見えてくる錯視アートについても,強い視覚効果を生み出すタイリングパターンをいくつか発見して,それに基づいて新しい作品例も作った.これにより,新しいタイリングアートの可能性を追求するための基礎作りもできた.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件、 招待講演 4件)
Pattern Analysis and Applications
巻: Online version ページ: 未定
10.1007/s10044-016-0534-2
Post-Conference Proceedings of JCDCG^2 2015, LNCS
巻: 未定 ページ: 未定
Journal of Mathematical Psychology
巻: 68-69 ページ: 7-12
10.1016/j.jmp.2015.07.001
Computer Aided Drafting, Design and manufacturing
巻: 25 ページ: 未定