研究課題/領域番号 |
24360042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
村岡 幹夫 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 教授 (50190872)
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研究分担者 |
巨 陽 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60312609)
奥山 栄樹 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 准教授 (80177188)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナノ材料 / 中空構造 / 固相還元 / 逆テンプレート |
研究概要 |
1.カーボン被膜還元作用の特性把握 ナノチューブを作製する際の鋳型となる金属酸化物ナノワイヤとして酸化銅ナノワイヤを取上げ、カーボン被膜によって当該ナノワイヤが還元消失する条件を実験的に検討した。大気圧、アルゴンガス気流中においてカーボン被覆ナノワイヤが還元消失するために必要な時間を、種々の加熱温度によって調べ、還元消失条件マップを作成した。また、理論的考察を行い、その結果、当該還元消失条件は、定性的にはエリンガム図により説明できることがわかった。 2.金属ナノチューブの作製 酸化銅ナノワイヤに化学量論的に算出した膜厚を有するカーボン膜をスパッタにより被覆し、次にカーボン膜を覆うように白金膜を被覆した。その後アルゴンガス中300~500℃の温度で還元処理した結果、鋳型である酸化銅ナノワイヤが消失して空洞を形成し、白金のナノチューブ(外径約100nm)が得られることを確認した。また、還元処理の際に、事前に切断して鋳型部断面を露出させた場合と切断しない場合(鋳型部が密閉されている場合)の両者について比較した結果、前者では還元消失に要する時間は1項で調べた条件とほぼ同様であり、還元銅の残留は少ないことがわかった。後者では、前者に比べ還元消失が容易(低温、短時間での還元が可能)であるが、ナノチューブの内壁に還元銅が残留することがわかった。 3.電子顕微鏡内マニピュレータの開発 電子顕微鏡試料台という限られたスペースの中で、多自由度の把持装置を製作するための基礎要素ではる小型自走式アクチュエータの検討を行った。その結果、摩擦力の不均衡を利用した新原理自走式多自由アクチュエータを考案した。また、ナノワイヤの再配置に関する操作方法についても検討した。 4.金属ナノチューブの機械的性質の評価 白金ナノチューブの曲げ試験を行い、ヤング率と引張強さを評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績に記載のとおり、申請時に計画した研究を遂行し、実際に、直径約100nmの金属ナノチューブを本手法により作製することに成功している。
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今後の研究の推進方策 |
申請書に記載の計画のとおり、研究を推進する。電子顕微鏡内マニピュレータを改良すると共に、金属ナノ多孔質体および安定酸化物中空ナノ構造体の作製を行う。また、作製した中空ナノ構造体の機械的・電磁気的性質の評価を行う。
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