研究課題/領域番号 |
24360044
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
泉 聡志 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30322069)
|
研究分担者 |
酒井 信介 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80134469)
田中 展 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70550143)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 機械材料・材料力学 / 有限要素法 / 分子動力学 |
研究概要 |
平成25年度は、Perssonの理論を用いて決定した摩擦係数を有限要素法に与えて、接触・摩擦解析を行う手法開発を行った。Perssonの理論によると摩擦係数は、摩擦面のパワースペクトル、ゴムの粘弾性的性質、すべり速度に依存するため、有限要素法モデルの接触面毎に異なる摩擦係数を与える必要がある。Perssonの理論のナノ領域側とのつながりは完成していないため、高周波領域におけるモデルの単純なカットオフなどの近似手法を用いて検討を行った。結果、特にスリップスティック現象が起こる際に発生する衝撃波が計算の質を極めて悪化させ対策が必要であることがわかった。 また、平成24年度に開発した位相空間サンプリング分子動力学法をベースに、摩擦面における有限要素法ー分子動力学連成シミュレータを開発している。すなわち、接触面のみを原子で、それ以外を内部組織を反映した有限要素法でモデリングする。申請者らは有限要素法ー分子動力学連成シミュレータを過去に開発済であり、その手法を、汎用分子動力学ソフトウェアであるLAMMPSに実装を行っている。 現在のところ、フラクタル(セルフアフィン)性を持つ表面でモデリング手法はほぼ完成しているが、有効な分子動力学ー有限要素法計算には至っていない。最終年度である今年度での完成を目指す。 平成26年度の課題である、ゴムー路面摩擦実験によるモデルの検証と改良を前倒しで行い、基礎実験及び速度依存性の実験を複数行い、Perssonモデルの妥当性を検証した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
陽解法有限要素法手法の課題は抽出出来たが、解決には至っていない。最終年度に解決を目指す。有限要素法ー分子動力学シミュレータの適用は、目途はついているが、有効な計算を出す段階には至っていない。 また、平成26年分を前倒しで行っている検証実験は、順調にデータを取得出来ており、モデルの検証が出来ている。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、陽解法有限要素法と、分子動力学をつなげたシミュレータの開発と、その結果の実験による検証を行う予定である。検証実験は前倒しで行っており、技術的には課題はないので、速やかに行えると考えれられる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は少額であり、ほぼ予定通り予算を消化した。 消耗品・調査旅費等で活用する。
|