固体間摩擦はマルチスケールのラフネス(multi-asperity)が関与する複雑系の現象であることがわかってきている.本研究では,ラフネスのスケールをマクロ・メゾ・ナノの三つに領域に分け,それぞれのスケールのモデリングを統合するマルチスケールシミュレータを開発する.すなわち,マクロスケールのうねりには陽解法接触・摩擦有限要素法を,メゾスケールのフラクタル(セルフアフィン)なラフネスにはPerssonモデルを,ナノスケールのラフネスには分子動力学シミュレーションを用い,それぞれのスケールを有機的につなぐことを試みた.
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