本研究は,自然な印象を呈する(a)シボ(皮皺)模様,(b)木目模様,(c)水玉・抽象柄模様,(d)美的曲線の多様解を創発するとともに,これらの模様を感性(印象)により感覚的にデザインするシステムを開発することを目的としている.同目的は,①自然界の事象・状態を数理モデルとして構築する,②数理モデルの特徴パラメータの操作により多様解(多様なデザイン)を創発するシステムを開発する,③自然界の事象・状態から構築された数理モデルの特徴パラメータと感性(印象)の相関を数理モデル化するための感性情報をアンケート収集する,④アンケート情報を基に自然事象・状態の数理モデル特徴パラメータと感性(印象)の相関を数理モデル化し,感性(印象)から自然印象模様をデザインするシステムを開発すること,により達成される. 同目的を達成するため,平成24年度において,自然事象の数理モデル化に基づき,シボ(皮皺)模様,木目模様,水玉・抽象柄模様,美的曲線を創発するシステムを開発した.平成25年度において,感性に基づいてシボ(皮皺)模様をデザインするシステム,木目模様をデザインするシステム,水玉・抽象柄模様をデザインするシステム,美的曲線をデザインするシステムを開発した.平成26年度では,平成24,25年度の成果を統合するインタフェースを開発することにより,(a)シボ(皮皺)模様デザイン創発システム,(b)木目模様デザイン創発システム,(c)水玉・抽象模様デザイン創発システム,(d)美的曲線デザイン創発システムを開発し,これらのシステムを統合し,最終目標とする自然印象模様・美的曲線デザイン創発システムを開発した.
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