研究課題/領域番号 |
24360064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
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研究分担者 |
大林 茂 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80183028)
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 計測融合解析 / 超音波計測 / 血流動態 / 脈波 |
研究概要 |
本研究は、血管疾患の好発部位である頸動脈分岐部を対象として、血管壁のせん断応力と圧力の時空間変動特性を、超音波計測融合シミュレーションにより明らかにし、さらに、これらの空間変動特性と血管疾患との関係や、血流場の非定常特性における脈波の進行波と後退波の寄与の影響を明らかにすることにより、血管疾患に対する流体力学的寄与の正確な理解に基づく診断法の確立に貢献することを目的とする。 平成24年度は、超音波計測システムの改良と予備的計測の実施、超音波計測融合シミュレーションと自己組織化マップによるデータマイニング手法の開発の準備を行った。最初に、申請者が開発した小動物用の3次元超音波計測システムを、ヒト頸動脈の計測用への改造を検討した。超音波プローブをヒト経度頸動脈計測用に変更し、予備的なヒト頸動脈の超音波計測を行った。予備計測は、申請者の研究室からボランティアを募り、東北大学流体科学研究所倫理委員会での承認に準じて行った。超音波計測は、カラードプラモードにより、頸動脈の血管断面の組織構造と血流の超音波ビーム方向の速度(ドプラ速度)の同時計測を行った。超音波計測データは誤差を含むことが明らかとなったため、モデル血管に対する超音波計測断面画像データから、既存の自作処理プログラムによりパターンマッチングによる血管断面抽出を行って、モデル血管の3次元形状およびドプラ速度を再構築するための検証実験を追加で行った。再構築されたモデル血管の超音波計測融合シミュレーションを行った。シミュレーションモデルは、流体・構造連成解析モデルを用いた。得られた結果を基に、超音波計測データを補正することにより、高精度な解析が可能となった。超音波計測融合シミュレーションにより得られた流体力学的パラメータの時空間変動特性をもとに、自己組織化マップによるデータマイニングを行うための準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、目標とする超音波計測システムの改良と予備的計測の実施が達成できた。また、当初の予定にはなかったが、超音波計測の誤差が明らかとなったため、計測誤差を補正するための検討を実施し、高精度な計測が達成できた。また、超音波計測融合シミュレーションと自己組織化マップによるデータマイニング手法については準備を行った。以上より、当初の目標はおおむね達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
超音波計測融合シミュレーションと自己組織化マップによるデータマイニング手法について引き続き検討するとともに、実際の頸動脈データを用いた解析を実施し、流体力学的パラメータの時空間変動特性を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
直接経費次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額と合わせ、超音波計測融合シミュレーションの解析精度向上のための検証実験に使用する。
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