水素分子の量子性が液体水素の熱物性や輸送特性に与える影響について解析を行った。計算にはセントロイド分子動力学法および古典分子動力学法を用いた。その結果, 熱物性に関しては古典的に評価したのでは表現できない液体水素の特性の対応状態原理からのずれを量子効果を考慮することによって非常によく説明できることが明らかとなった。また輸送特性については拡散係数に対する量子効果の影響は現れないこと、熱伝導率に関しては、量子効果を考慮することによって、古典分子動力学法の範疇で予想される熱伝導率よりも小さくなることが明らかとなった。
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