研究課題/領域番号 |
24360078
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
西野 耕一 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90192690)
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研究分担者 |
上野 一郎 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (40318209)
藤村 薫 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70294337)
工藤 正樹 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (60634524)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 対流 / 表面張力流 / 不安定性 / 微小重力実験 / 線形安定性解析 |
研究概要 |
本年度(平成25年4月~平成26年3月)の研究対象とした宇宙実験は次の「宇宙実験1~3」である。「宇宙実験1」平成24年7月~平成25年2月:「大スケール表面張力流の対流不安定性に関する実験」、「宇宙実験2」平成25年9月~平成26年2月:「動的界面変形が対流不安定性に与える影響に関する実験」(その1)、「宇宙実験3」平成26年夏頃実施予定:「動的界面変形が対流不安定性に与える影響に関する実験」(その2) (1)「宇宙実験1」の詳細データ解析として、①振動流遷移条件に与える諸条件(液柱アスペクト比、液柱体積比、加熱速度など)の影響の把握、②高マランゴニ数条件におけるカオス流・乱流の観測、③粒子集積現象(PAS:Particle Accumulation Structure)の観測を行った。 (2)「宇宙実験2」について、研究者と学生で構成される実験チームが筑波宇宙センターに滞在することによって実施した。顕微鏡撮影システムを用いた液柱表面位置の動的振動を定量化し、振動流遷移モデルの妥当性を検証した。 (3)表面張力流の制御性に関する地上実験を継続した。制御方法として、液柱周囲に強制対流を付加する方法、液柱周囲の自然対流を抑制/促進する方法、液柱周囲の温度条件を制御する方法などを検討した。 (4)表面張力流の線形安定性解析(含む、弱非線形安定性解析)および直接数値解析を行い、宇宙実験結果を補完する知見を得た。線形安定性解析では不安定性に与える液柱アスペクト比依存性などを調べ、生起する振動流の詳細を明らかにした。直接数値解析では、カオス流・乱流の特性に関する実験結果との比較、PAS発生メカニズムの把握を行った。 (5)「宇宙実験3」の実験条件(液柱アスペクト比、液柱体積比、印加温度差など)を具体的に策定し、実験実施への準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度交付申請書の研究実施計画として、(1)「宇宙実験1」の詳細データ解析および、(2)「宇宙実験2」と「宇宙実験3」の実施、(3)表面張力流の制御性に関する地上実験の継続、(4)線形安定性解析および直接数値解析の継続、(5)「宇宙実験4」の実験条件策定の5項目を掲げた。各項目の達成状況は次の通りである。(1)は計画通り進捗している。(2)の「宇宙実験2」は全ての実験を実施したが、「宇宙実験3」については日本実験棟「きぼう」の予期せぬ不具合(具体的には、冷却システムの不具合)のため実験実施が平成26年夏頃に延期された。研究者側の責任とならぬやむを得ぬ延期であるが、「宇宙実験3」を実施することができなかった。(3)については、当該分野の専門家を研究分担者に加えることによって体制を強化し、フルゾーン液柱に対する実験的研究を進め、査読付き論文1件を公表した。(4)については、計画通り進捗し、査読付き論文1件を公表した。(5)については、「宇宙実験3」の延期に伴い、次年度(平成26年度)に実施することとなった。 以上の達成度を鑑み、②と評価した
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今後の研究の推進方策 |
本年度(平成26年度)の交付申請書に記載の計画に沿って進める。本年度に延期された「宇宙実験3」を実施するとともに、「宇宙実験4」についても実験条件の策定を進め、実験機会が許す限り、本年度中の実施を目指す。
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